2025/04/17
日本最古の御香調進所としての伝統を守りながら、薫玉堂(くんぎょくどう)は日本の伝統的な暦である二十四節気それぞれの香りに基づいて、現代へと紡いでいます。
「日本最古の御香調進所」心を癒やす香りを誂える
京都西本願寺前に於いて文禄三年(1594年)創業以来、現在の地に於いて、儀式の場また日常の中でその時代の香りを作り続けて参りました。
当家に代々伝わる調香帳(レシピ)には長い年月をかけ熟成された香木をはじめ、漢方にも使われる植物がお香の原材料として記されています。
大地の恵みを受けて育った植物には人を優しく癒やし元気つけてくれる力が秘められています。
香老舗ならではの調香のこだわりを大切に、これからも現代の生活に寄り添った香りのかたちを提案して参ります。
創業者負野理右衛門は幼少の頃より香木に関心を持ち沈水香木の鑑定や香材の研究に専念し、薫物商としての薫玉堂の基礎を築きました。沈水香木の奥深い薫りを鑑賞するために香道の稽古に励みました。
その頃より御本山様をはじめ全国各宗派本山、御寺院へ御香を納めさせていただきました。
また寺院様だけでなく参拝客にはお焼香などを販売し江戸時代半ばからは線香の販売も始め、両替商も手掛けていました。
明治時代には通販を手掛けたり石鹸や化粧品を開発するなど時代に寄り添いながら革新しながら多くの人々へ豊かな香りを届けてきました。
二十四節気(にじゅうしせっき)とは、1年を春夏秋冬4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分け季節をあらわす名前をつけたものです。一年は立春からはじまり、全部で二十四の暦で構成されています。
古来より香りは暮らしの中で日常的に取り入れられ、感じ取られてきました。
薫玉堂は日本の伝統的な暦である二十四節気それぞれの香りに基づいて、受け継がれてきた調香の技を現代へと紡いでいます。
▪️立春(りっしゅん)
立春とは、初めて春の兆しが現れてくるころのこと。二十四節気において、春の始まりであり、1年の始まりとされる日です。春の芽吹きに胸を躍らせる季節ですね。
北野の紅梅
早春の北野、淡雪の中で凛と一際赤く咲く高潔な紅梅。もうすぐやってくる春を予感させる華やいだ薫りです。
▪️啓蟄(けいちつ)
啓蟄とは、陽気に誘われ、土の中の虫が動き出すころのこと。虫に限らず、さまざまな生き物が目覚めはじめます。
美山のレンゲ
緑豊かな森林に囲まれ清冽な川が流れる里、美山。野原一面を綾なす可憐なレンゲと霞の空のような楚々とした甘酸っぱい薫りです。
▪️春分(しゅんぶん)
春分とは、太陽が真東から昇り真西に沈む日のこと。長引く寒さも春分をすぎると一気に遠のくことから、大きな節目のひとつとされています。桜が咲き始め、気持ちが浮き立つ季節ですね。
醍醐の桜
桜並木の中を歩くと空から舞い降るはなびらに包まれるよう。幾本も連なる桜が順々に開いて、瑞々しくも魅惑的な醍醐の花見の薫りです。
▪️清明(せいめい)
清明とは、すべてのものが清らかで生き生きとするころのこと。若葉が萌え、花が咲き、鳥が歌い舞う、生命が輝く季節の到来です。
北山のバラ
ビロードのような花びらに朝露を抱き、あでやかに咲きこぼれる北山のバラ庭園。甘く美麗な花の薫りと活き活きとした葉や茎の薫りに酔いしれます。
▪️穀雨(こくう)
地上にあるたくさんの穀物に雨が振り、水分と栄養がため込まれる頃。田植えの準備がはじまり、植物が緑一色に輝きはじめます。牡丹や藤も開花し、晩春を豪華に彩ってくれます。
鳳凰の藤
鳳凰の優美な尾羽と重なるように、たっぷりと咲き誇る藤の花。薫風に遊ばれ池畔に匂い立つ、郁郁とした澄んだ薫りです。
▪️立夏(りっか)
夏がはじまる頃。さわやかな青空に、こいのぼりが気持ちよさそうに泳ぎます。生き物たちもウォーミングアップを終え、水辺ではカエルの声が聞こえてきます。一年のうちで、もっとも過ごしやすい季節です。
六本木2007
歴史を紡ぐ鬱蒼とした森や、水辺に誘われ飛来する鳥、そして季節の草花に彩られる庭園。小径をゆくにつれ呼吸は深くなり心身が柔らかくなる。植物で調合した軽やかで爽やかな薫り。
丸ノ内933
時代の変遷の中で姿を変えながらも、歴史ある建物が立ち並ぶ丸の内。過去と現代が交差する街に颯爽と吹き抜ける風のような洗練された薫り。
▪️小満(しょうまん)
命がしだいに満ち満ちていくころ。草木も花々も、虫も鳥も人も、陽を浴びていきいきする季節。こんな季節には、爽やかなラベンダーの香りを焚きましょう。
八瀬の薫衣草
八瀬に吹き渡る清らかな風が、心身を癒しゆったりとしたひと時を運んでくれる、清楚なラベンダーの薫りです。
▪️芒種(ぼうしゅ)
梅雨に入り始め山が滴る頃。稲・麦などの穀物の種をまくとされる時期で、日の入り後には、鬱蒼としたせせらきに儚げな光を放ちながら蛍が舞い、動植物の命の息吹を感じる季節です。
松尾の苔
ひと粒の雨の雫さえも深い青に染める静寂の庭。ビロードの絨毯を思わせる、滑らかな苔の湿った温かい香り。
▪️夏至(げし)
一年でいちばん昼の時間が長くなる頃。この日を境にだんだんと日が短くなっていきます。アヤメなど夏の花が咲きはじめ、暑さが増していきます。
花園の沙羅
朝に咲き夕べに落ちる、その儚さを愛でる沙羅。風に消える花色のたおやかで清純な薫りです。
▪️小暑(しょうしょ)
梅雨が明け、暑さが本格的になる頃。蝉が鳴く声や蓮の開花が、夏の訪れを告げてくれます。「暑中見舞い」を出すのもこの頃です。
三室戸の蓮
静かな夏の朝、風に誘われ音をたてるように咲く優美な蓮の花。天に向け開いた掌に抱かれるような、穏やかで清廉な薫りです。
▪️大暑(たいしょ)
一年でもっとも暑さが厳しく感じられる頃。入道雲が見られ、花火大会など夏のイベントが目白押し。鰻を食べる「土用の丑」や、桐や白粉花など夏の花が盛りになる季節でもあります。
音羽の滝
清水さんの滝つぼに流れ落ちる東山三十六峰に連なる音羽山の湧水。千年以上もとぎれることのない、清らかで涼やかな流れを連想させる薫り。
▪️立秋(りっしゅう)
秋の気配が少しずつ感じられる頃。涼風がそよぎ、ヒグラシが鳴きはじめ、秋のはじまりを演出してくれます。季節の挨拶が「残暑見舞い」に替わるのもこの時期です。
横浜1872
異国情緒あふれる港町のノスタルジックで清々しい薫り。
▪️処暑(しょしょ)
夏の暑さが和らぐ頃。マツムシや鈴虫など心地よい虫の声が聞こえてきます。稲穂が色づきはじめると同時に台風の季節も到来します。
堺町101
西本願寺門前町にたゆたう香りや、薫玉堂店内の香木や線香、陳列されたあらゆるものが融合した薫り。代々伝わる調香帳を基に調合しました。
▪️白露(はくろ)
草花や木に朝露が宿りはじめる頃。夜の間に空気が冷やされ、降りた露が白い玉のように光ります。日中の暑さも和らぎ、少しずつ秋の気配が深まっていきます。
大原のコスモス
大原の和らいだ陽の光を存分に浴びて風に揺れるコスモス澄んだ秋空の下、野原いっぱいに淡く甘い薫りが広がります。
▪️秋分(しゅうぶん)
春分と同じように、昼と夜の長さが同じになる頃。この日を境にだんだんと夜が長くなっていきます。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、お彼岸が終わると秋の気候へと変わっていきます。
心斎橋1622
心斎橋の賑わいをふちどる銀杏並木をイメージした滋味豊かな大人の薫り。
▪️寒露(かんろ)
露がが冷たく感じられてくる頃。空気が澄み、夜空に冴え冴えと月が明るむ季節です。
西陣の木犀
織機の音に誘われ、町屋が連なる細い道を幾度も折れて、いよいよ迷い込んだ石畳の路地の奥。ふいと、甘く懐かしい香りに包まれる。ノスタルジックな夕暮れ時の金木犀の香り。
▪️霜降(そうこう)
朝夕に冷え込みが増してきて、北の方や山里で霜が降り、山は紅葉で彩られていくころ。
嵯峨野の竹
小柴垣に囲われた小さな社がひっそりと佇む、嵯峨野の散歩道。空を覆う竹林が創り出す仄青いトンネルを抜ける風の、静かで清爽な香りです。
▪️立冬(りっとう)
冬がはじまる頃。木枯らしが吹き、冬枯れの景色の中で山茶花や水仙の花が咲きはじめます。初雪の便りが届き、こたつ開きが行われ、冬の佇まいへと変わっていきます。
宇治の抹茶
茶樹が織りなす縞模様が山の端まで続く、宇治の茶畑の美しさ。あわただしい日常にひと息つける、抹茶のふくいくたる深い薫りです。
▪️小雪(しょうせつ)
寒さが進み、そろそろ雪がふりはじめる頃のこと。とはいえ昼間は暖かな日射しに包まれるときがあり、このような日を小春日和といいます。
寺町705
点在する由緒ある社寺や、古美術商の玻璃越しの洗練された逸品、伝統ある老舗の革新の息吹。この町の懐かしさと新しさが光と影のように映し出される薫り。
▪️大雪(たいせつ)
いよいよ本格的に雪が降りだす頃のこと。京都では冷え込みが厳しくなり、鮮やかに色付いた紅葉が見頃を迎えています。十二月十三日は花街事始めの日。舞妓・芸妓さんらが普段お世話になっている方を訪ね、一年間のお礼と新年に向けた挨拶をした後、お正月の準備を始めます。
祇園の舞妓
趣のある格子戸と石畳が続く祇園界隈。
初々しくも華やかな舞妓さんの立ち舞う袖に乗って、おしろいの甘い薫りが漂います。
時が折り重なった香りを贈り物に
日々の暮らしに潤いと彩りを運び寄り添う香りを提案するラインです。
西本願寺の門前にたゆたう香りや薫玉堂の香りを代々伝わる伝統のレシピをもとに調合。
京都の名所・名物をイメージさせる香りです。
お香の香りを少しづつお試しいただける、詰め合わせ線香です。
天然香料を主とした伝統の調香レシピ×現代の香りの融合で、京都の名所・名物をイメージさせる6種類の香りを、それぞれのパッケージのお色に分けて揃えました。