2024/10/18
毎年9月ごろから続々と入荷するカレンダーたち。
書き込みがたくさんしやすいシンプルなもの、祝日や家族ごとの予定を一つで管理できる多機能なもの、デスクやチェストにちょこんと置ける小さな卓上タイプ、月ごとに変わるイラストやデザインの凝ったおしゃれなもの…。
サイズも形もデザインも全然違うものがとってもたくさん!
みなさん、来年はどんなカレンダーを選びますか?
筆者が数年前に行った岡崎乾二郎「視覚のカイソウ」展
さて、先日のよみもの『やすらぐ私だけの一杯』の冒頭で軽く触れていましたが、わたくし、芸術鑑賞が趣味のひとつ。
今どきは、インターネットで名前や作品名を検索すると、すぐに鮮明な画像が画面で見られますが、実際に作られたものを目の前で鑑賞すると迫力や美しさが一気に増します。
染料・塗料・着色の繊細な色使い、筆の勢いや線の強弱、キャンバスや紙の凹凸による光と影の立体感、素材の柔らかさ・硬さ、壁一面を埋める彩色。
映像作品やデジタルアートという分野もあり、画面で見るものが劣っているというわけではありませんが、形あるものを実際に目や肌で感じられる良さはいつの時代も変わらないものだと思います。
フランス ルーヴル美術館 所蔵 「サモトラケのニケ」いつかは見たいけどなかなか行けないですよね
そうは言っても、自分の好きな作品を現地まで行って見るのはなかなか難しいのも現実。
展覧会会場からお家が遠かったり、交通の手段が限られていたり、日程が自分の予定と合わなかったり…。
地方出身の私は「自分が関東圏に住んでいて、車で遠い知らない場所も不安なく運転できていたら、話題の展示も小さな個展ももっとたくさん見に行けるのに…!」と泣く泣く諦める日々。
本物が見られないならと、好きな絵柄のカレンダーを部屋に飾るようになりました。
日々スタッフとして商品を取り扱っているなか、素敵だなと思う作家さんのカレンダーを一部ご紹介します。
幻想的で静かな景色に、小さく儚げな光が寄り添うように照らす、イラストレーター日下明(くさか あきら)さんのカレンダー。
雲や空の色、草木の葉一枚一枚まで繊細に描かれ、光闇を繊細に描いています。
底抜けに明るいというより、暗さの中に優しい温もりが感じられ、その美しいイラストを初めて見た時
「大切な存在を思い出しながら、ちょっと懐かしむような切ないような、秋から冬にかけて季節が移ろう、澄んだ空気に日が傾いて、長く伸びた影と夕日の光の暖かさような、言葉にしがたいあのノスタルジックな気持ちを彷彿とさせる素敵な作品だな」
ととても惹かれました。
人よりも大きなロウソク、椅子に乗った小さな三日月、ボトルから溢れた液体に浮かぶボートと夜空、どれもちょっと不思議なイラストが魅力です。
小さい頃に見た夢の世界が、大人になった今でもどこかで存在しているような、そんな世界観が詰まっています。
西洋と和の雰囲気が混じり合ったおしゃれな雰囲気と、愛くるしい表情の動物にほっこり癒やされる、イラストレーター松尾ミユキさんのカレンダー。
ベージュや灰色などくすんだカラーをベースに、落ち着いた色彩で草木や動物が独特のタッチで描かれ、特にエキゾチックやペルシャ系の愛嬌のある表情の猫ちゃんのイラストは女性を中心にとっても人気!
松尾ミユキさんは雑貨アイテムも多く販売しており、トートバッグやクッションカバーに刺繍で描かれたイラストはとっても可愛くイノブンの店舗でも大人気。
オンラインでは現在カレンダーのみのお取り扱いですが、ご要望があれば今後取り扱いされるかも…?
鮮やかな色彩が弾ける、大胆なタッチで生命力に溢れた生き物や植物を美しく描く、画家で絵本作家でもあるミロコマチコさんのカレンダー。
先ず目に飛び込んでくるカラフルな色!
白い部分もただの真っ白ではなく、グレー・イエロー・ネイビーなどたくさんの色が使われており、透ける光、動物の毛皮羽毛が光によって見え方が変わる複雑さの表現や、画面全体に深みと奥行きを感じさせます。
大胆でありながら神秘的な雰囲気もある作風は、国内外、男女問わず幅広い層から支持されている人気作家。
近年は豊かな自然に囲まれた奄美大島に移り住まれたということもあり、島の風土や伝統芸術が作風にも現れています。
数々の芸術賞や文学賞を受賞し、今後の活躍が期待されるミロコマチコさんの新作と、作家オリジナルのフォントを使用したカレンダーの日付けは、アートファン必見!
絵柄にフォーカスを当てたご紹介でした。気になる作品はありましたか?
思い入れのある絵柄なら、カレンダー部分を切り離してポスターのようにして、年が変わっても長く大切に飾れて素敵ですよね。
今回のご紹介は3名に厳選しましたが、まだまだ紹介しきれないたくさんの作家さんカレンダーが当店にございます。
オンラインでは実物を見ながらお買い物ということができませんが、お家のスペースを確認して「これはどうかな?こっちも素敵だな…」なんて悩みながら、ご自身にピッタリの物をゆっくり自分のペースで厳選できますので、是非2025年の楽しい予定のお供になるカレンダーを見つけてみてくださいね。
執筆者:N